中日新聞「過眠症」
掲載期間合計すると4年ほど、中日新聞の健康欄で睡眠コラムを書かせて頂いたおかげ、電話かかって来ると、電話元で違う記者が「だれだれです!」とちゃちゃを入れられるほど、私は特派員?笑。久しぶりに連絡が入った佐橋記者は、過眠症を話題にしたいとのこと。こりゃまたマニアックな佐橋さん、私よりよほど若いのに、昭和に学生運動をしていた団塊の世代よりも熱い魂の持ち主。
「過眠症」を取り上げたい、との相談。医者でも避けて通りたい話題なのに、さすが佐橋記者。詳しくは2024.11.5.の中日新聞をお読み下さい。
大学離れてから、社会に眠気で悩んでいる若者が多いのに驚いています。なぜ当時大学病院まで来なかったか、容易に気づきました。朝起きられないから、大学の受付時間には間に合わず、夕方診察するクリニックに受診しやすい。また、診察に時間がかかりかつ検査も繁雑。説明をしただけでキレ帰るどころか、SNSで誹謗中傷。睡眠専門家でさえ避けて通りたい領域です。これを取り上げる記者、一度会ってみたく有りません?笑
難しすぎる話題なので、私流に簡単に要約し、私見を添えます。
・眠気があるというと、ナルコレプシーという病名を医療者が挙げる。
・100名眠気患者が来られたら、ナルコレプシーは1名ほどしかいない。
・通常過眠症の検査は2−3日入院してMSLTという検査を受けるが、このMSLTを無機質的に行うと、かなり誤診が生じやすい、という私見。
・患者へ、というより医療者へ強く伝えたい:その年齢に適した睡眠時間、成人なら最低7時間睡眠を日々行っていることを確認できなければ、安易に過眠症と診断してはならぬ。
・眠らないことを前提に覚醒薬物を投与することは、とても残念なこと。適切ではない投薬は若者が残りの人生苦しむ、という私見。