院長ブログ

開業医が必要経費る

公開日:
監修:めいほう睡眠めまいクリニック院長 中山明峰

 まずお断り申し上げます。この記事は誰に頼まれたものでもなく、個人の一思案です。
 過去学会開催できることは名誉でしたが、近年は多くの会長が運営に苦悩しています。以前より学会は会費、開業医の寄付と業者の広告費で成り立って居ました。現在、厳格な薬物審査により新薬の開発も少なく、利益相反に触れるサポートはできず、学会を支える企業がどんどん減少しています。学会開催施設から、同窓会や開業医に寄付のお願いが届きます。開業医の個人寄付は税金控除枠がわずかなため、小さめな額となりがちです。
 話変わります。長年大学勤務を終え、開業した私はゴルフせず、宴会は嫌いではありませんが高級なお酒の味はわからず、TOYOTAファンのため左ハンドル車を乗らず、必要経費を充分に使ったことはありません。
 さて、国税庁表明の必要経費定義とは:「収入金額の獲得のために投下した費用の総称」とあります。なるほどゴルフも、食事も、クリニック運営で必要な交際に使うことであれば、税金控除で運営の負担軽減となる。それでも必要経費使う時はドキドキするので、税理士の判断を仰ぎ、違法にならないよう気をつけています。
 当院はめまいと睡眠のみ診療する専門施設、質の高い医療を提供するため、患者数を制限したいため、HP以外広告は出しません。税理士さんには「広告費ゼロで集客できることに驚く」と言われます。その私が近年、広告を出し始めました!
 学会運営で困っている会長は、開業医には寄付を、業者には広告費を期待します。寄付だと少額になるが、クリニック広告としてならば必要経費としてより大きな額が出せるのではないか?!に気づきました。
 一般の方は不思議に思うかも知れません。医師の世界では、クリニックが学会に広告を出すのは品がない、と思う空気があるかも知れません。医師の世界は村ですからね、笑。過去の時代はどの開業医もゆとりがあり、寄付も厭わなかったが、今はクリニックが倒産する時代。それを知らない会長は寄付を依頼したところで、開業医からスルーされることもしばしばあるようになりました。
 正直学会に広告を出して、集客効果を期待する訳ではありません。そもそも学会のCMをみている医師は何名いるでしょうか。しかしすべての医師はどこかの医学部で教育を受け、医局でトレーニングして貰い、学会で専門知識を学んだはずです。学会って、最高の医学知識を得るところです。
 困ったことに、開業医が寄付ではなく、必要経費を投じた広告に対する理解ができない会長もおられ「寄付したくないなら貰わない」と勘違いされたこともありました。従来に見習えという習慣も大切でしょう。嫌われてもいいから、寄付した上で私からさらに行動を起こしてみましょう。
 学会が衰退したら、医療技術が後退することと同じです。私は未来の子どもたちに、そんな国で暮らしてほしいとは思いません。一回ゴルフを減らして、お世話になった医局や医師会などが運営する学会に、クリニック名を残す必要経費るってみませんか?


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