院長ブログ

「PPPD」「セカンドインパクト症候群」2024日本耳科学会にて報告

公開日:
監修:めいほう睡眠めまいクリニック院長 中山明峰

 第34回日本耳科学会にて、当院非常勤医師の中田隆文先生、寺西正明先生、さらに大阪公立大学・神田裕樹先生、角南貴司子教授とともに、3演題報告させて頂きました。要点は以下です。
<PPPD>
・現時点治療については投薬、前庭リハビリ、認知行動療法の選択となる。
・当院は認知行動療法を採用し、初診問診時からその治療は開始している。
・前庭リハビリの原理は小脳機能代償を期待するものであり、前頭葉が関連するPPPDに効果があるという理論は矛盾がある。
・認知行動療法はそれぞれ施行方法が異なり、パンフレット渡して終わる施設もある。その詳細を述べないと治療効果に施設別のぶれが生じる。
・当院は初診時、患者の認知機能に変化が生じるまで次のステップに進まない。投薬でさえ患者の了承、認知機能の変化がなければ、副作用で苦しむ結果となり、症状が悪化することがある。
・当院のリハビリは、認知行動療法の認知変化が確認されてから進む行動の実行だと考えている。大脳・小脳ともにトレーニングを受ける認知行動療法でなければ効果が薄いと考えている。
・納得しない、説明を受け入れられない患者は、認知機能低下が起きている可能性がある。当院の治療方針を崩す訳にはいかないので、受け入れられない患者については、既存の古典的治療をする他施設に紹介する。
<セカンドオ・インパクト症候群>
・他高次機能病院で既に検査と治療を受けたが、症状が変化しない高校生。
・神経耳科学的精査すると、カロリック検査で1分ほどの潜伏を待った後に垂直成分が混在した眼振反応、指標追跡などで若い子にはみられないような拙劣な動きなどから脳機能障害と判断し、連携の脳外科医に連絡。
・脳外科医よりセカンドオ・インパクト症候群と断定。
・セカンドオ・インパクト症候群とは、脳しんとうを二回以上受けると、脳が致命的な障害を受ける可能性がある疾患。
・患者はラグビー選手で過去に二回以上頭部打撲で失神しているが、ドクターストップかかることを恐れて病院ではそのことを隠した。
・医療者は安易に画像だけ撮って安心するなかれ。詳細な聴取と肉眼所見にヒントが隠れている。
・病気を診る前に、患者を診よう!


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