院長ブログ

保健所査察:サイバーセキュリティ

公開日:
監修:めいほう睡眠めまいクリニック院長 中山明峰

 昨日保健所から査察が入りました。厚生労働省が決めた色々なルールをきちっと守っているかを点検する日でした。
 例えばスタッフ全員と年二度以上カンファレンスを開き、医療安全や感染予防などについて話会っているか、その会議の内容、参加者のサイン、などなど、数十項目にわたってチェックされます。
 いい歳のおじいちゃんになって、小学生の時を思い出しました。筆箱出して鉛筆をちゃんと削ったか、髪の毛は襟よりも短いか・・・、学級委員とびびる子どものようでした。
 今年の査察で、新しいチェック項目がひとつ増えました。「サイバーセキュリティ」です。どうもある医療施設の電子カルテから患者データが盗まれ、公開されたようです。国がDX普及化するなか、大きな妨げとなりました。
 実は未だ開業医の電子カルテ化は半数以下。電子カルテ会社を選ぶ時、どの医療者も悩むものです。私は誰にも左右されず、各会社を回り、実物と会社の雰囲気をみて来ました。最終的に決めた会社は歴史が短いが、将来性を感じた会社でした。
 そもそも多くの電子カルテは白黒で無機質。まるで用語を覚えないと操れない悪夢のPC時代に逆戻り。イラストでファイルをゴミ箱に入れるMac出現のように、Macユーザの私としては迷いなく惚れ込んだ会社が現れました。
 聞けばこの会社はある医師が起業したベンチャー企業、それまでの古い体制の電子カルテは使い難い、医師の視線から新たに作った会社。それ自体検査業務を主体とし、クリニックから集めた血液は結果次第、直接パソコンにデータが入るシステム。
 電カル内容はすべて遠隔で二カ所クラウドに保存、サイバーセキュリティには不安ありませんでした。問題は、保健所査察が求めるのは書類上の証明。会社に問い合わせると、直ちに対策法を伝授して頂き、そしてサイバーセキュリティでもっとも重要なことは、コンピュータがダウンした際の対応です。
 長年大学勤め、一度だけコンピュータダウンに遭ったことがあります。当時非常状態になっても事務担当が走り回り、医師はなす術なし。今は院長が走らないとどうにもなりません。この最新チェックにパスするだろうか。
 保健所の査察が始まり、細かい項目を次々と続き尋問され、終わりが見えた最後のチェック、「パソコンダウンした時に緊急対応準備は?」と聞かれた時受験生の気持ちになり、「やった!予測問題ドンピシャ!」。査察の前日、電子カルテ会社のスタッフが息を切らしながら当クリニックまで走り、大切な資料を届けてくれました。いざパソコンダウンした際、「緊急用に紙カルテ、処方箋などを準備した封筒とマニュアル」でした。
 会社の何名かスタッフと交流しましたが、採用時の信頼した良い空気に裏切られることはなく、ひとり娘のようなスタッフと焼き肉食べに行ったこともあります、笑。弱小クリニックのくせに、スタッフ全員が一台ずつ操作できるよう6台もDXに投資して、後悔ありません。
 機械は電子でも、扱う人間がアナログじゃなきゃ。機器は最新デジタル、スタッフはアナログのおもてなし。ひとの意見に影響されず、この会社に決めて良かったです。


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